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ピエールの日曜日

ピエールの日曜日

シベールの日曜日

「シベールの日曜日」
1962年のフランス映画。もちろんモノクロ。
思春期に、この映画を観て、強烈な印象を持つ。

戦争で過去の記憶を失った男(ピエール)と、家族に捨てられた少女(シベール)
の、孤独な者同士の魂のふれあい。

凍えるような風景の中、日曜日ごとに、ままごと遊びのようなデートを楽しむ二人。ラストシーンで、シベールを襲っていると誤解した警官にピエールが射殺される。
「純真さって何なの? あなたたちは自分が理解できないことは異常だって言うのね。」
「病気なのは、あなたたち正常な人間よ。常識から外れた人間は排除するの? 素直さが怖い?」

高所恐怖症だったピエールが、教会の尖塔に登り、シベールのほしがっていた風見鶏をナイフを使ってはずしてくる。このナイフが悲惨なラストを暗示している。
今の私には、ナイフを持って、高いところに登っていく気力がない。でも、ピエールの最後には、一種の憧れを覚える。忘れられない名画<シベールの日曜日>。


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